同志社大学における国際セミナー「高等教育の未来:日英米の国際比較」

「高等教育の未来:日英米の国際比較」
(The Future of Higher Education in Japan, the UK, and the USA)

同志社大学国際センター、サセックス大学高等教育・公正性研究センター、広島大学日英欧研究学術交流センターの共同主催、同志社女子大学国際部の共催のもと、「高等教育の未来:日英米の国際比較」(The Future of Higher Education in Japan, the UK, and the USA)をテーマとしたセミナーを、同志社大学寒梅館で開講した。奇しくも3名の女性講演者となったが、テーマと概要は以下の通り。

講演者1 坂東久美子氏は、日本社会が直面する変化と日本の大学が抱える様々な問題・課題に言及し、激しく変化する社会の中での高等教育の機能強化、産業構造の変化や新たなニーズへの対応に向けた高等教育改革の積極的な推進の必要性について提起した。


講演者2 山田礼子教授は、近年のOECD諸国の高等教育政策の特徴として、説明責任重視、市場化、学習成果の重視がある。特にアメリカにおける質保証に向けた政策動向、学習成果評価動向、間接評価・直接評価の開発について紹介し、今後の日本の大学では、3つのポリシーをチェックする機能が求められると締め括った。
講演者3 ルイーズ・モーリー教授は、本来高等教育の目的は、デモクラシーを推進し、公平性を拡大することに目的があったが、昨今の過度な人的資本への投資や市場化、世界ランキング、競争的資金の獲得、といった経済的側面が重視されることになった結果、経済競争においてプラスをもたらす人間育成に焦点が当てられるようになっている。この様な状況から生じる高等教育の閉塞状況を、是正していくことの必要性を提起した。


米国の高等教育と学習評価(山田礼子(同志社大学))
社会変化と高等教育の将来(日本を例として) (板東久美子)
The Future of Higher Education in Japan and the UK (Professor Louise Morley)